【グローバル企業のシステム導入プロジェクト】
日系グローバル企業において、イギリス人社員(社員A)が会計システム更新を担当することになった。
社員Aは9年ほど在籍しており、会計知識のほか社内事情にも詳しく、近年はマネージャーとして部下の指導も行っている。
当社では、会計システムが古くなっていることに加え、拠点毎に別々のシステムを利用していたことから、
会計システムを刷新してグローバルで共通のプラットフォームを導入することに。
こうした中、社員Aはヘッドクオーターで会計業務を取り纏めていることから、
プロジェクトリードチームの一員に指名された。
社員Aは日本語が堪能で、普段日本人とのコミュニケーションには不自由していなかった。
しかし、メール等文字のコミュニケーションは基本的に英語で、
フォーマルな日本語のプレゼンテーション資料やビジネス文書を作成したことがなかった。
本プロジェクトでは、多くのステークホルダーやマネジメント、役員に対して継続的にプレゼンテーションを行う必要があり、
その資料はパワーポイントを用いた日本語での作成が求められた。
当初は英語で作成した資料を翻訳ソフトや翻訳サービスで日本語に変換していたが、
日本人にとって違和感のある表現が多く、結局他の日本人社員が代わりに資料を作成することになっていた。
プロジェクトは長期に亘るためこうした状況を続けるわけにもいかず、社員Aはどうするべきかとても悩んでいた。
こうした中、ユニークなコンサルティングを行う「Lean Alive」の噂を聞きつけ相談することに。
「Lean Alive」では、単に文章を翻訳したり添削するだけではなく、
「戦略的な」日本語プレゼンテーション資料作成能力を身につけられるコンサルティングを実施しているとのこと。
試しに数人でコンサルティングを受けてみると、主に下記のような内容だった。
① プレゼンテーションのゴールを明確にした上で、課題抽出⇒原因分析⇒解決策提示⇒効果検証の流れをつくる
② 1ページ1メッセージで情報を詰め込みすぎない
③ 中立的、客観的で信頼感のある日本語表現を用いる
④ ①~③を押さえて、ケーススタディとして過去の事例を用いてプレゼンテーション資料を作成する
⑤ ピアレビューを行う
⑥ 「Lean Alve」が修正点を指摘し、その理由と改善方法の指導を受ける
⑦ PDCAサイクルをできるだけ高速で回せるように繰り返す
週に1度このコンサルティングセッションを受けたほか、実際のプロジェクトで使用する資料も随時レビューを受け、
プロジェクトの承認を受けるためのマネジメントミーティングでプレゼンテーションを行うことに。
すると、
① 客観的なデータやファクトの積み上げに基づいた資料となっていたこと
② 恣意的な表現、流れを排除していたこと
③ プロジェクトを行うことで得られる効果とコスト、期間、リスクが明確になっていたこと
④ 資料を行ったり来たりしない構成になっていたこと
等、判断に必要な材料が提供され、更に信頼感のある構成となっていたことから、その場でプロジェクトの承認が下りることに。
さらに、本プレゼンテーションで提案した進捗会議の設定や、使用するKPI等についても承認され、
プロジェクトの進め方も明確にすることができた。
今回のコンサルティングおよびフォローを受けたことで、効果的なプレゼンテーション資料の作成方法はもとより、
論理的な思考および表現方法、一方通行にならない資料の作り方等を学ぶことができた。